「売却を断られた家でも買い取ってもらえる?」「片付けや修繕に、お金をかけてから相談すべき?」。訳あり物件でも、その事情を扱う会社に相談することで、現状のまま売却につながる可能性があります。
ただし、査定額が高い会社が、費用を引いた手取りでも有利とは限りません。自分の物件への対応、売主が負担する費用、売却後に残る責任をそろえて比べることが大切です。
この記事では、公式情報と公的資料をもとに5社を比較します。まずは次の表から物件の事情に合う候補を選び、「この状態で扱えるか」「費用を引いていくら残るか」を確認しましょう。売るかどうかを決める前に、比較に必要な条件を整理できます。
訳あり物件の買取業者おすすめ5社を比較
| 運営会社/サービス | 主な相談対象 | 対応地域・取引形態 | 査定・費用の案内と確認事項 |
|---|---|---|---|
| 株式会社AlbaLink/訳あり物件買取プロ | 空き家、再建築不可、事故物件、共有持分など | 全国/直接買取を案内 | 相談・査定無料。直接買取は仲介手数料不要。物件によって費用負担を伴う条件あり |
| 株式会社ネクスウィル/ワケガイ | 共有持分、空き家、ゴミ屋敷、再建築不可、借地・底地、事故物件など | 全国/直接買取 | 査定・必要な現地調査は無料。直接買取は仲介手数料不要。山林・農地などは対応が難しい場合あり |
| マークスライフ株式会社/成仏不動産 | 事故物件、特殊清掃や遺品整理を伴う売却など | 全国/買取・仲介を提案 | 現地調査・査定無料。自社買取は仲介手数料不要。清掃・整理等の費用は別途確認 |
| 株式会社クランピーリアルエステート | 共有持分、底地・借地権、相続物件、再建築不可、事故物件など | 全国/自社買取・仲介など | 無料査定を案内。仲介や専門家への依頼を含む場合の報酬・負担額を確認 |
| 株式会社ネクサスプロパティマネジメント/ラクウル | 事故物件、再建築不可、共有持分、築古、借地権・底地など | 全国/自社買取。仲介・賃貸活用も提案 | 査定無料は一部対象外あり。自社買取は仲介手数料不要。例外と諸費用を事前確認 |
本記事では、公式サイトで買取対象となる物件や対応地域、査定条件を確認できた5社を比較対象としています。掲載順は買取価格やサービス品質の優劣を示すものではありません。
※全国対応でも、個別物件の買取を保証するものではありません。各社の公開情報に基づく比較で、実際の売買契約書・精算明細は確認できていません。
出典:AlbaLink、ワケガイ、成仏不動産、クランピーリアルエステート、ラクウル
自分の物件ならどこへ相談する?状況別の候補
| 物件の事情・困りごと | 相談先の候補と理由 | 最初に伝える・尋ねること |
|---|---|---|
| 共有持分や相続の問題がある | ワケガイ・クランピー:共有持分の取扱いや専門家との連携を案内 | 自分の持分だけを売りたいのか、全体を売りたいのか。名義と協議の状況 |
| 事故後の清掃・遺品整理も必要 | 成仏不動産・ワケガイ:売却と清掃・整理をまとめて相談できる | 清掃の状態、先払いの要否、売却代金から差し引く費用 |
| 再建築不可・家財が残る家を手放したい | AlbaLink:再建築不可や片付け前の相談を案内。ラクウルも両条件の相談候補 | 建て替えが難しいと説明された理由と、家財を残した状態での提示額 |
| 借地権・底地を売りたい | クランピー・ラクウル:借地権・底地を取扱対象として案内 | 売りたい権利の種類、借地契約、関係者との調整や費用の担当 |
公開サービスから整理した相談の目安です。複数の事情が重なる場合はまとめて伝え、候補の2〜3社で条件を比べましょう。表にない会社が対応できないという意味ではありません。
当てはまる会社の紹介から、まず対応可否を確かめましょう。伝え方に迷う方は、後半のそのまま使える問い合わせ例を利用できます。
訳あり物件とは?どんな物件が買取対象になる?

この記事では、建物の状態や権利関係などに事情があり、一般の買主を見つけにくい不動産を「訳あり物件」と呼びます。
- 事故物件:事件や死亡の経緯などが、購入判断に影響する物件。
- 再建築不可物件:接道などの条件により、現状では建て替えが認められない物件。
- 共有持分:複数人で所有する不動産のうち、自分が持つ権利の割合。
- 空き家・ゴミ屋敷:老朽化や大量の残置物などが売却の障害になっている物件。
- 借地権・底地:土地を借りる権利と土地の所有権が分かれ、権利関係の確認が必要な物件。
空き家や人が亡くなった家が、すべて同じ条件になるわけではありません。「再建築不可で残置物もある」など、複数の事情がある場合はまとめて伝えましょう。
訳あり物件の買取業者5社の特徴

AlbaLink|再建築不可や片付けが難しい空き家の相談候補
再建築不可の家や、家財が多く片付けに着手できない家を相談したい方の候補です。株式会社AlbaLinkは「訳あり物件買取プロ」を運営し、再建築不可物件の事業ページで47都道府県への対応と片付け前の相談受付を案内しています。
同ページには、買取価格2,450万円、1,000万円などの個別事例があります。ただし、企業が公表する事例であり、自分の物件の査定額や最終手取りを示すものではありません。公式の事業・実績紹介
相談時は「現状のまま引き渡せる範囲」と「売主が負担する費用」を確認してください。公式サイトには費用負担を伴う条件の注記もあります。代金を受け取る買取か、こちらが費用を支払う提案かを明確にしましょう。公式サービス案内
ワケガイ|共有持分や相続に伴う問題を相談したい人へ
共有持分や相続の問題があり、売却に向けて何を整理すべきか相談したい方の候補です。株式会社ネクスウィルが運営するワケガイは、共有持分や空き家などを扱い、必要に応じて弁護士・司法書士と連携する体制を案内しています。公式サイトには、兄弟3人で遺産分割協議が済んでいなかった物件について、買取価格390万円の自社事例も掲載されています。
査定と必要な現地調査は無料で、価格や条件が合わず買取に至らなかった場合も費用を請求しないと説明しています。一方、宅地として利用できない土地や賃貸需要がない地域では、買取が難しい場合があります。ワケガイ公式
相談時は、自分の持分、登記の状況、他の共有者との関係を伝え、専門家の手続き費用が別途発生するか確認しましょう。
成仏不動産|事故物件の売却と清掃・遺品整理を相談したい人へ
事故物件の売却と、清掃・遺品整理の手配をまとめて相談したい方の候補です。マークスライフ株式会社が運営する成仏不動産は、買取に加えて特殊清掃や遺品整理などを案内しています。買取より仲介が売主に適していると判断した場合は、仲介を提案する方針も公表しています。
公式サイトには孤独死や自殺などに関する買取事例がありますが、企業による紹介であり、他社より高く売れることの証明ではありません。成仏不動産のサービス・事例
注意したいのは「持ち出し0円プラン」です。同社による事故物件の買取が条件で、売却代金から諸費用を差し引く仕組みです。清掃等が無料になる意味ではなく、費用が売却代金を上回れば、持ち出しが発生する場合もあります。作業内容と費用総額、差し引き後の手取りを書面で確認してください。公式サービス内容、プランの適用条件
クランピーリアルエステート|共有持分・借地など権利関係が複雑な人へ
借地契約や共有関係が絡み、売れる権利の範囲から整理したい方の候補です。株式会社クランピーリアルエステートは、共有持分、底地・借地権、相続物件などを扱っています。公式サービス案内
公式には、親族所有の建物がある横浜市の土地持分2分の1を、弁護士と連携して買い取った事例があります。個別事例の条件を、ほかの共有物件にもそのまま当てはめることはできません。公式買取事例
確認したいのは、今回の提案が自社買取か仲介かという点です。仲介を含む場合は仲介手数料、専門家への依頼が必要な場合は依頼先と費用負担も聞きましょう。
ラクウル|築古物件や複数の事情がある不動産の相談候補
築古に加えて再建築不可や権利関係の事情もあり、まとめて対応可否を聞きたい方の候補です。株式会社ネクサスプロパティマネジメントが運営する「ラクウル」は、事故物件、再建築不可、共有持分、旧耐震・築古物件などを扱っています。運営会社
公式サイトでは、2025年2月〜2026年1月の年間買取実績を200件以上と公表しています。これは企業の自己申告で、相談件数やAI査定件数とは別の数字です。ラクウル公式
FAQの無料査定には「一部、対象外あり」と注記されています。申込み前に無料の対象かを確認し、処分・登記等の追加負担も確かめてください。AI査定の結果だけで、実際の売却価格が決まるとは考えないようにしましょう。公式FAQ
自分の物件に合う買取業者の選び方

同じ種類・地域の物件を扱った経験を確認する
「訳あり物件に対応」という説明に加え、自分と似た物件の相談例を尋ねましょう。事故物件と共有持分では、確認する問題が異なります。全国対応の会社でも、市区町村や土地の用途、建物の状態によって判断が変わります。
直接買取か仲介かを確かめる
直接買取は不動産会社が買主になり、仲介は会社を通して別の買主を探す方法です。直接買取で仲介業者が入らなければ、仲介手数料は発生しません。ただし、登記や残置物処分など、ほかの費用までゼロになるとは限りません。

契約書の買主名と、提示された取引形態を照らし合わせましょう。
査定額と手取り、引渡し条件を同じ基準で比べる
比較する際は、次の項目を書面でそろえてください。
| 比較項目 | 確認する内容 |
|---|---|
| 査定価格 | 現地調査前の概算か、調査後の提示額か |
| 売主負担 | 清掃、残置物、測量、登記、仲介等の費用 |
| 引渡し条件 | 家財を残せる範囲、修繕や解体の要否 |
| 入金・引渡し日 | 自分の希望に合うか、延期条件はあるか |
| 契約条件 | 減額、解除、違約金、売却後の責任 |
例えば、査定500万円でも売主負担が80万円なら差額は420万円です。査定450万円で負担10万円なら440万円になります。これは説明用の仮定で、税金・ローン返済等は含みません。価格だけでなく、差し引き後の金額を比べましょう。

訳あり物件の買取相場はどのくらい?
訳あり物件の買取相場を「通常価格の何割」と一律に示すことはできません。立地や需要に加え、修繕・清掃の必要性、建て替えの制限、共有者や借地の権利関係などで条件が変わるためです。
共有持分も、不動産全体の価格に持分割合を掛けた額で売れるとは限りません。購入後に利用や売却を進めるための調整が必要になることがあります。
まずは候補を2〜3社に絞り、同じ物件情報と引渡し希望を伝えて査定条件を比べると判断しやすくなります。「なぜこの価格になるのか」「どの条件で金額が変わるのか」を説明してもらいましょう。
訳あり物件を売却するときの注意点

告知する内容を自己判断で省かない
雨漏り、シロアリ被害、境界や権利関係の問題など、把握している事情は査定時から伝え、書面にも残してください。
人の死については、死因や特殊清掃の有無などで扱いが異なります。国土交通省のガイドラインは宅建業者向けの基準であり、賃貸の「概ね3年」を売買にそのまま当てはめることはできません。国土交通省のガイドライン概要
契約不適合責任の免責は、対象と例外を確認する
契約不適合責任とは、引き渡した物件が契約で合意した内容に合わない場合の売主の責任です。免責の案内があっても、実際の契約で対象・期間・例外を確認しましょう。
民法572条では、免責特約があっても、売主が知りながら告げなかった事実などについては責任を免れないとされています。民法572条
費用・減額・解除条件を確認してから契約する
「査定無料」と「契約後も無料でキャンセルできる」は別です。追加調査で減額される条件、解除時の違約金、清掃などを先に依頼した場合の費用を確認してください。
個人が不動産業者へ自宅を売却する契約は、クーリング・オフができません。別の解除方法があるかは、契約内容や事情によります。国民生活センターの注意喚起
その場での署名を強く迫る、費用明細を出さない、口頭説明と契約書が違う場合は、契約を急がず確認を求めましょう。売却後の連絡窓口や登記手続きの完了確認も、契約前に決めておくと安心です。
査定の相談で何を伝える?そのまま使える問い合わせ例
手元にある情報を、次の例文の[ ]に入れて使ってください。名義や建物の状態が分からない項目は「不明」とし、査定に追加で必要な資料を尋ねます。
[所在地]の[戸建て・土地・マンション等]の売却を検討しています。名義・持分は[ ]で、[再建築不可・共有・残置物・雨漏り等]の事情があります。希望時期は[ ]です。現状のまま買取の対象になりますか。査定費用の有無、現地確認に必要な資料、売主負担の費用を教えてください。価格をご提示いただく際は、引渡し条件と差引後の受取額もお願いします。
返信では、「対応できるか」「何を差し引くか」「どの条件で価格が変わるか」をそろえます。高い概算額が出ても、調査後の価格や追加費用が未確定なら、その点を埋めてから比較しましょう。
まとめ|物件の事情に合った会社へ相談しよう
訳あり物件の相談先は、物件の種類と売却時に必要な対応から選びましょう。共有持分・相続ならワケガイやクランピー、事故後の清掃も相談したいなら成仏不動産、再建築不可や築古物件ならAlbaLinkやラクウルなどが候補になります。
まず所在地、名義・持分、建物の状態、残置物の有無、希望時期を整理してください。そのうえで、候補の会社に「この状態で扱えるか」「自分が負担する費用はいくらか」「売却後に残る責任は何か」を確認しましょう。
問い合わせ例を使って条件をそろえ、各社紹介から相談先を選んでください。価格と費用の内訳が分かってから、売却するかを判断しましょう。
よくある質問(FAQ)
訳あり物件が売れない場合、どうすればよいですか?
断られた理由を確認し、その事情を扱う会社へ相談しましょう。地域・用途・権利関係によって買取の判断は異なります。同じ条件で複数社の提案を比較し、有料引取りを提示された場合は、支払額と引取り完了の条件も確認してください。相談先の選び方は本文で説明しています。 本文の該当箇所へ
事故物件を売却するにはどうすればいいですか?
把握している死亡の経緯や清掃の状況を整理し、事故物件に対応する会社へ査定を依頼してください。買取と仲介のどちらが適するかを聞き、費用と告知内容を確認して契約へ進みます。事情が不明な部分は推測で埋めず、不明と伝えましょう。詳しくは本文の売却時の注意点をご覧ください。 本文の該当箇所へ
借地権がある物件も売却できますか?
売却できる場合があります。ただし、借地権の種類や契約内容により手続きが異なり、土地の賃借権の譲渡では原則として貸主の承諾が問題になります。借地契約書を用意し、承諾や費用を誰が確認・負担するか相談してください。相談先は本文の5社紹介で確認できます。 本文の該当箇所へ
家を売却する前に、やらないほうがよいことはありますか?
不具合を隠すことや、費用・解除条件を確認せず契約することは避けてください。高額な片付け・修繕も、現状で売れるかを相談してから判断しましょう。先に支払った費用を売却価格で回収できるとは限りません。契約前の確認事項は本文の売却時の注意点にまとめています。 本文の該当箇所へ
査定を依頼したら、必ず売らなければいけませんか?
査定の依頼だけで、必ず売却することになるわけではありません。ただし、査定後に結ぶ売買契約や清掃等の別契約は区別が必要です。無料査定の対象範囲と、契約を取りやめる場合の費用を先に確認しましょう。各社の案内と例外は本文の5社紹介で比較できます。 本文の該当箇所へ
買取なら仲介手数料も、そのほかの費用も無料ですか?
直接買取で仲介業者が入らなければ仲介手数料は発生しませんが、すべての費用が無料になるわけではありません。清掃・残置物処分・登記等の売主負担は、提案と契約条件によって異なります。代金から差し引く費用も含め、本文の選び方にある比較表で確かめましょう。 本文の該当箇所へ